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小説

コンパニオン税理士【第七十二話】~もう一つの夢~

2014年10月14日

京都の税理士が綴るリアルな小説「コンパニオン税理士」

【第七十二話】~もう一つの夢~ 

 

週に一度、小説「コンパニオン税理士」を連載しております。

小説といっても、随筆のようなもので、私たちが経験した実話を題材にした小説です。
主人公は安田希子ちゃん。
夜はホステスをしながら、お昼は新人税理士として谷本先生の事務所で働いています。



(このお話はフィクションです。)

 

 
 私、マジシャンになります。

 昨日の台風も過ぎて秋晴れのある秋の午後、谷本先生は、昨日、遅くまで飲み会があったせいか、机の前でうつらうつらされています。  
「谷本先生。」
私は、先生の方をたたいて起こします。  
「何だ、季子ちゃんじゃないか、どうしたの?そんな真剣な顔をして。」
寝ぼけた声で先生が答えます。  
「先生、ちょっと、お話があるのです。」  
「大切な話?」  
「そうなんです。」  
「じゃ、会議室で話そうか。」  
先生と二人で、会議室に向かいます。  
「季子ちゃん、そこに座って。どうしたの?」  
私は、先生の顔を見ながら、「先生、私には小さな時からの夢があるのです。もうこの年になってしまうと、夢を実現する最後のチャンスかと思うのです。」
「へぇ、季子ちゃんの夢ってなんだっけ?税理士として、お客様企業のため、地域社会のため、頑張るのが夢じゃなかったの?」
「それは、大人になってからの夢なんですが、私には小さな時からの夢があったんです。先生と一緒に、昨年のクリスマスのディナーショーで、セロのマジック見ましたよね。私そのショーを見た瞬間、小さな時の夢が突然頭に中で暴れだして、我慢できなくなったんです。」
私は、昨年のクリスマスを思い出します。
今、思い出しても、胸が熱くなってしまいます。
「先生、私が小さな時憧れていたマジシャンになるのも、この年齢が最後のチャンスなんです。幸いにも、私の友人がラスベガスにいて、マジックショーの助手をしています。ヨンコさんって言うのですが、もし、ラスベガスに来たら、助手をしながら、マジックの勉強ができると言ってくれてるんです。私にとっては、これが最後のチャンス、先生、3年間のマッジック留学を許してください。」  
先生はポカンとした顔をして、「季子ちゃん良く考えていってるの?」とおっしゃいます。
私は、昨年のクリスマスからほぼ10ヶ月、頭の中に浮かんでくるマジシャンになる夢との戦いでした。
そして、夢が私に言います。
これが最後のチャンスかも、思い切って、一歩を踏み出せと。
「先生、10ヶ月悩みに悩んだ上の結論です。」
先生は、遠くを見つめるような目で、私におっしゃいます。
「夢は、大切やね。夢を見ないと成功はないものね。季子ちゃんがそこまで言うなら、僕は諦める。立派なマジシャンになって帰ってきて、コンパニオン税理士ではなくて、マジシャン税理士として頑張ってね。」
ということで、このコンパニオン税理士も、少しお休みをさせていただきます。

次は、マジシャン税理士として、また、再出発の日があると考えています。
ご購読、いただいていた皆様、本当にありがとうございました。

私は、いま、関西国際空港から、ラスベガスへ向けての出発です。
谷本先生も、見送ってくれています。
日本とも、しばらくお別れです。
谷本先生、本当にお世話になりました。

さぁ、ラスベガスで勉強するぞ!


 
 最後まで読んでくださりありがとうございました!

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コンパニオン税理士【第七十一話】~面談~

2014年10月06日

京都の税理士が綴るリアルな小説「コンパニオン税理士」

【第七十一話】~面談~ 

 

週に一度、小説「コンパニオン税理士」を連載しております。

小説といっても、随筆のようなもので、私たちが経験した実話を題材にした小説です。
主人公は安田希子ちゃん。
夜はホステスをしながら、お昼は新人税理士として谷本先生の事務所で働いています。



(このお話はフィクションです。)

 

 
不服審判所の担当者の方と、書記担当の方、お二人で事務所の方にお越しいただきました。
そして、私への尋問です。
谷本先生も同席していただいているので安心なのですが、ドキドキしてしまいます。
簡単な自己紹介の後、K京都税務署へ電話した時の状況を聞かれます。
担当官はにこやかに「電話和されたとき、音声案内に従って処理されましたか?」とか、「土地の所在地まで言った上で聞きましたか?」そんな質問から始まりました。
正直、細かいところまでは覚えていないので、私が、通常、行っている内容をお話しします。
電話の時に、どこまで突っ込んで聞いているのかが、大切なようです。
今から思えば、担当者の名前だけでも聞いておけばと反省しきりです。
もし、あの時、購入時の契約書が出てこなかったら、もっともっと聞いたのですが、あの、契約書を見る限り、買換えの適用を受けているとは思えませんからね。
谷本先生もおっしゃってます。
「季子ちゃん、今回の異議申し立ては、加算金がどうのこうのというのではなく、被相続人の持っている情報で、相続人に帰属したものについては、相続人独りの請求で情報がもらえるというのが肝やからね。」と。
私も頑張ります。
日本の税務行政が、国にとっても、納税者にとっても、より良いものになるようにと。
この審判の結果は、後日、お知らせしますし、訴訟になったときは、その内容等についても、皆様にお知らせします。
面談も済んで、1ヶ月過ぎたある日、担当審判官から電話がかかってきました。  
争点の確認表を送るので、内容を確認して気づいた点や不明な点があれば、○月○日までに連絡くださいとのこと。
でも、書類が着いてからたったの6日しかないじゃないですか。
それも、3連休を挟んで。
ということは実質3日間で、返答しろということです。
なんて、自分の都合しか考えてないんでしょう。
さすがにお役所だと思いながら、書類を眺めます。
まず、争いのない事実が書かれていて、そして双方の主張という形で請求人の主張と原処分庁の主張が並べて書かれています。
どちらの言い分もそれなりに理由があると思うのですが、私が言いたかった大切なことがスポッと抜けてました。
それは、反論書にも書いたことなのですが、『本件においては、審査請求人の確定申告の前後において、審査請求人が確定申告を行ったということ以外には何らの変化もなかった。
それにもかかわらず、確定申告前には電話等で問い合わせた際には「特定の居住用財産の買換えの特例」の適用の有無を知るための方法すら教示しなかったのに、確定申告後には関与税理士に対して「特定の居住用財産の買換えの特例」の適用の有無や買換資産に引き継がれた取得費を知るための手続きを教示しているのである。』それも、戸籍も実印も必要なく。
したがって、本件の原処分は納税者に対する不意打ちであり、適正かつ公平な課税及び徴収であるとはいえず、信義に反するものである。
つまるところ、税務署と税理士は協力しながら、適正な課税をして行こうと言いながら、加算税がかからないときには、情報を教えず、加算税がかかるようになってから内容を教えるのは、だまし討ちと一緒だという主張が抜けていました。
それを、電話で伝えたのですが、どんな風な主張に変わるか楽しみです。




  
…つづく


 


 
 最後まで読んでくださりありがとうございました!

 次回は
 コンパニオン税理士第七十二話「もう一つの夢

 

 

小説

コンパニオン税理士【第七十話】~釈明事項の回答~

2014年09月29日

京都の税理士が綴るリアルな小説「コンパニオン税理士」

【第七十話】~釈明事項の回答~ 

 

週に一度、小説「コンパニオン税理士」を連載しております。

小説といっても、随筆のようなもので、私たちが経験した実話を題材にした小説です。
主人公は安田希子ちゃん。
夜はホステスをしながら、お昼は新人税理士として谷本先生の事務所で働いています。



(このお話はフィクションです。)

 

 
釈明事項は問1~6まで、不服審判所の審判官の質問事項等が書いてあります。
その中で、私たちが主張したい部分をピックアップします。

問3 請求人は、「・・・行政機関個人情報保護法の趣旨にのっとって解釈するならば、相続人全員の印鑑証明及び委任状が必要であるという回答は、法律の趣旨に反するものであり・・・」と主張し、また、「・・・『申告書等閲覧サービスの実施について』の実施基準は、行政機関個人情報保護法の趣旨に反するものであるから・・・」と主張していますが、「申告書等閲覧サービスの実施について(事務運営指針)」の「死亡した個人が生前に提出した申告書等については、閲覧申請者が代理人で税理士の場合、相続人全員分の委任状等及び戸籍謄本の提示があった場合に閲覧を認める。」という実施基準がどうして行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律の趣旨に反するものであるといえるのですか、その理由をのべてください。

問3に対する回答
行政機関個人情報保護法12条1項には、「何人も、この法律に定めるところにより、行政機関の長に対し、当該行政機関の保有する自己を本人とする保有個人情報の開示を請求することができる」と定められている。
上記の法律の規定によると、自己の個人情報であれば、行政機関に対し、当該行政機関の保有する個人情報の開示を請求することができることとなる。
すなわち、当該行政機関に対して自己の個人情報であることを示す書類を提出すれば、行政機関に対して保有個人情報の開示を行うことができるのである。
そこで、「個人情報」がどのような範囲のものであるかが問題となるが、審査請求書においても述べたように、「死者に関する情報であっても、当該情報が遺族等の生存する個人に関する情報でもある場合には、生存する個人を本人とする個人情報として保護の対象となる」というものが法律の趣旨であり、総務省やその他の地方公共団体等でも同様の解釈がとられている。
このように、行政機関個人情報保護法では、死者に関する情報であっても、当該情報が遺族等の生存する個人に関する情報でもある場合には、生存する個人を本人とする個人情報として開示を求めることができるものである。
そして、死者の相続財産に関する情報は、それを相続あるいは受贈した者にとっては本人の個人情報となるのであるから、遺族等が死者の財産を相続あるいは受贈した者であるという書類を行政機関に提出しさえすれば、行政機関に保有個人情報の開示を行うことができるのである。
前述のように、死者の財産を相続あるいは受贈したという書類を提出すれば保有個人情報の開示を求めることができるとするのが行政機関個人情報保護法の規定であるから、その趣旨を踏まえて行われる「申告書等閲覧サービス」がそれ以上の要件を付加して開示を求めるとするのは法律の趣旨・目的に反するものであるといえる。
本件についてこれをみると、行政機関個人情報保護法に基づいて、本人の代理人が本人に関係する死者の個人情報の開示請求を行う場合、死者の財産を相続あるいは受贈した事実が分かる書類等と本人の委任状さえあれば個人情報の開示請求を行うことが可能となる。
しかしながら、「申告書等閲覧サービスの実施について」では上記のものに加えて、「相続人全員の委任状」まで要求しているのである。
これは、法律の規定以上のものを何の根拠もなく定めるものであり、法律の趣旨に反していることは明らかである。
特に、本件においては、審査請求人が不動産を相続していることが不動産登記簿上も明らかなのであり、開示することに税務行政上もその他の関係者の権利利益に対しても何ら問題のない事案なのであるから、申告書等閲覧サービスの要件は全く不合理なものである。
この釈明事項に対する回答を先に送ってから、谷本先生に大阪国税不服審判所 京都支所に行っていただきました。 先生の話によると、先に回答しておいたので、確認作業だけで、直ぐに終わったとのことでした。

そして、次回は、私に会って電話の状況等について聞きたいので、事務所の方にいらっしゃるようです。
あぁ、何か尋問されるようでドキドキします。
そして、その日がやってきました。



  
…つづく


 
 最後まで読んでくださりありがとうございました!
 
次回は
 コンパニオン税理士第七十一話「面談

 

小説

コンパニオン税理士【第六十九話】~反論書の作成②~

2014年09月22日

京都の税理士が綴るリアルな小説「コンパニオン税理士」

【第六十九話】~反論書の作成②~ 

 

週に一度、小説「コンパニオン税理士」を連載しております。

小説といっても、随筆のようなもので、私たちが経験した実話を題材にした小説です。
主人公は安田希子ちゃん。
夜はホステスをしながら、お昼は新人税理士として谷本先生の事務所で働いています。



(このお話はフィクションです。)

 

 
私たちが、買換資産の取得費の教示の仕方が、不適切で、信義に反すると訴えたことに対して、信義則が適用されるためには、

①公的見解の表示があったこと
②納税者がその表示を信頼し、信頼に基づいて行動したこと
③後にこれに反する処分がなされ、そのため納税者が不測の経済的不利益を被ったこと
④納税者の責めに帰すべき事由がないことを満たす必要があるところ

請求人は、本件問合せに対する説明を受けた後、その説明に基づき相続人全員の委任状等を取得する等の行動を行っておらず、原処分庁に対し、本件特例の適用の有無や本件土地及び本件建物に引き継がれた取得費について個別に相談も行っていないのであり、上記②の要件に該当しないから、請求人の主張には理由がない。

おっしゃるとおりかもしれませんが、お役人は一般市民の苦労を知らないのですね。
そもそも、戸籍をあげるとなると、個人情報の関係もあって、本人以外の戸籍はあげられないじゃないですか。
今回の場合、いとこの戸籍まであげていかないと駄目ですし、印鑑証明をもらうなんて、もってのほか。
初めからの無理難題です。
それをしろという方がおかしいと思うのですが…  
今回の場合、取得時の売買契約書が出てきたので、買換えをしていないと十分に推測できたことが失敗だったのかもしれません。
そうでなければ、もっともっとしつこく聞いたのですが。
でも、一般市民は忙しいことを理解してもらいたいものです。  

もう反論することもないので、様子を見ていると、次に、面談のお知らせが送ってきました。先に、電話で都合を聞いておいてのお知らせです。その時までに、釈明事項の回答をくださいとのことでした。



  
…つづく


 
 最後まで読んでくださりありがとうございました!
 
次回は
 コンパニオン税理士第七十話「釈明事項の回答

 

小説

コンパニオン税理士【第六十八話】~反論書の作成①~

2014年09月16日

京都の税理士が綴るリアルな小説「コンパニオン税理士」

【第六十八話】~反論書の作成①~ 

 

週に一度、小説「コンパニオン税理士」を連載しております。

小説といっても、随筆のようなもので、私たちが経験した実話を題材にした小説です。
主人公は安田希子ちゃん。
夜はホステスをしながら、お昼は新人税理士として谷本先生の事務所で働いています。



(このお話はフィクションです。)

 

 
谷本先生は、またまた額に汗して、反論書の作成です。
忙しい中、本当にご苦労様です。
忙しい中、20万円位の加算金のことで、これだけの労力を使うなら、世の中を良くしようと思うことがないとできませんよね。

反論書の文章の中で、私の心に残ったものを記載します。

「納税者からの来署による個別の税務相談に対しては、課税庁が必要と判断した場合には教示することができるものとして事務手続を行っている」というものである。
すなわち、仮に他の相続人等からの協力が得られないという理由で税務署等に相談に行ったとしても、「もっと協力を得られるように努力すれば委任状等を持参することができる」と課税庁が判断すれば、「必要であると判断しない」という理由で本件特例に係る引継価格を教えてもらえないばかりか、「特定の居住用財産の買換えの特例」の適用をうけているかどうかさえ教えてもらえない可能性がある事務手続となっている。

このように、課税庁は、「特定の居住用財産の買換え特例」の適用を受けているかどうかを確認するためには、原則として相続人全員が来署するか、相続人全員の委任状を持参した場合に限り死亡した個人の申告書等を閲覧することができるとし、例外として、来署による個別の税務相談の場合には、課税庁が必要と反断した場合に限り教示することができるとしているが、その事務手続等については一般に開示せず、電話により問い合わせたとしても事務手続については教えることはないという対応をとっている。

さらに、来署による個別の税務相談であっても、「特定の居住用財産の買換えの特例」の適用を受けているかどうかについては課税庁の判断により教示するかどうかが決定されるという事務手続となっている。
しかしながら、いったん相続人による確定申告が誤りであることが発覚すると、それ以外の状況は全く変わっていないにもかかわらず、途端に関与税理士に対して、課税庁自らが「特定の居住用財産の買換えの特例」の適用を受けている旨を連絡し、来所した関与税理士に対して買換資産に引き継がれた取得費を口頭で説明するという手続きを行っている。

このように、相続人が確定申告を行ったかどうか以外に状況の変化がないにもかかわらず、その前後において「特定の居住用財産の買換えの特例」を受けているかどうかを確認する手続が大幅に変化するということがあれば、あまりにも課税庁の恣意に過ぎるというものであり、課税庁が少しでも税金を取るために意図的に情報を開示しないようにしているとも考えてしまうような状況であり、信義に反するものであるといえる。

また、納税者は意図的に課税を免れようとしていたわけではなく、「特定の居住用財産の買換えの特例」の適用の有無を知る方法を課税庁に尋ねていたのであり、手続きの教示さえ受けていれば正確な金額の納税ができていたのである。
また、経済的な見地からみても、「課税庁が必要と判断した場合には教示することができる」としている事務手続であれば、納税者や関与税理士が税務署に来所したとしても無駄足におわる可能性があるため、コストをかけてまで調査しないということは起こりうるから、適正な納税を実現するという観点からも不合理である。

反論書を提出してから、3週間ほどで、不服審判所から原処分庁からの意見書が送ってきました。
そして、反論があるなら、3週間ほどの期間を指定して、書面により提出するようにとのことです。



  
…つづく


 
 最後まで読んでくださりありがとうございました!
 
次回は
 コンパニオン税理士第六十九話「反論書の作成②

 
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