相続ブログ

小説

コンパニオン税理士【第七十話】~釈明事項の回答~

2014年09月29日

京都の税理士が綴るリアルな小説「コンパニオン税理士」

【第七十話】~釈明事項の回答~ 

 

週に一度、小説「コンパニオン税理士」を連載しております。

小説といっても、随筆のようなもので、私たちが経験した実話を題材にした小説です。
主人公は安田希子ちゃん。
夜はホステスをしながら、お昼は新人税理士として谷本先生の事務所で働いています。



(このお話はフィクションです。)

 

 
釈明事項は問1~6まで、不服審判所の審判官の質問事項等が書いてあります。
その中で、私たちが主張したい部分をピックアップします。

問3 請求人は、「・・・行政機関個人情報保護法の趣旨にのっとって解釈するならば、相続人全員の印鑑証明及び委任状が必要であるという回答は、法律の趣旨に反するものであり・・・」と主張し、また、「・・・『申告書等閲覧サービスの実施について』の実施基準は、行政機関個人情報保護法の趣旨に反するものであるから・・・」と主張していますが、「申告書等閲覧サービスの実施について(事務運営指針)」の「死亡した個人が生前に提出した申告書等については、閲覧申請者が代理人で税理士の場合、相続人全員分の委任状等及び戸籍謄本の提示があった場合に閲覧を認める。」という実施基準がどうして行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律の趣旨に反するものであるといえるのですか、その理由をのべてください。

問3に対する回答
行政機関個人情報保護法12条1項には、「何人も、この法律に定めるところにより、行政機関の長に対し、当該行政機関の保有する自己を本人とする保有個人情報の開示を請求することができる」と定められている。
上記の法律の規定によると、自己の個人情報であれば、行政機関に対し、当該行政機関の保有する個人情報の開示を請求することができることとなる。
すなわち、当該行政機関に対して自己の個人情報であることを示す書類を提出すれば、行政機関に対して保有個人情報の開示を行うことができるのである。
そこで、「個人情報」がどのような範囲のものであるかが問題となるが、審査請求書においても述べたように、「死者に関する情報であっても、当該情報が遺族等の生存する個人に関する情報でもある場合には、生存する個人を本人とする個人情報として保護の対象となる」というものが法律の趣旨であり、総務省やその他の地方公共団体等でも同様の解釈がとられている。
このように、行政機関個人情報保護法では、死者に関する情報であっても、当該情報が遺族等の生存する個人に関する情報でもある場合には、生存する個人を本人とする個人情報として開示を求めることができるものである。
そして、死者の相続財産に関する情報は、それを相続あるいは受贈した者にとっては本人の個人情報となるのであるから、遺族等が死者の財産を相続あるいは受贈した者であるという書類を行政機関に提出しさえすれば、行政機関に保有個人情報の開示を行うことができるのである。
前述のように、死者の財産を相続あるいは受贈したという書類を提出すれば保有個人情報の開示を求めることができるとするのが行政機関個人情報保護法の規定であるから、その趣旨を踏まえて行われる「申告書等閲覧サービス」がそれ以上の要件を付加して開示を求めるとするのは法律の趣旨・目的に反するものであるといえる。
本件についてこれをみると、行政機関個人情報保護法に基づいて、本人の代理人が本人に関係する死者の個人情報の開示請求を行う場合、死者の財産を相続あるいは受贈した事実が分かる書類等と本人の委任状さえあれば個人情報の開示請求を行うことが可能となる。
しかしながら、「申告書等閲覧サービスの実施について」では上記のものに加えて、「相続人全員の委任状」まで要求しているのである。
これは、法律の規定以上のものを何の根拠もなく定めるものであり、法律の趣旨に反していることは明らかである。
特に、本件においては、審査請求人が不動産を相続していることが不動産登記簿上も明らかなのであり、開示することに税務行政上もその他の関係者の権利利益に対しても何ら問題のない事案なのであるから、申告書等閲覧サービスの要件は全く不合理なものである。
この釈明事項に対する回答を先に送ってから、谷本先生に大阪国税不服審判所 京都支所に行っていただきました。 先生の話によると、先に回答しておいたので、確認作業だけで、直ぐに終わったとのことでした。

そして、次回は、私に会って電話の状況等について聞きたいので、事務所の方にいらっしゃるようです。
あぁ、何か尋問されるようでドキドキします。
そして、その日がやってきました。



  
…つづく


 
 最後まで読んでくださりありがとうございました!
 
次回は
 コンパニオン税理士第七十一話「面談

 
  • 相続ブログ一覧
  • 相続税Q&A
  • 相続についてのポイント
  • お客様の声
  • 小説

最新記事

以前の記事

RSS RSS

私たちにすべてお任せください

代表税理士
谷 明憲

相続は早めの対応が大切です。大切な家族に残すものだからこそ、時間をかけて想いを伝えましょう。

代表税理士 谷 明憲

弁護士
谷 憲和

相続や終活は自身の人生との対話でもあります。時間をかけて振り返り、上手な相続をしましょう。

弁護士 谷 憲和

税理士
林田 士郎

相続は被相続人と遺族の意思、事業の継承等重視しなければいけないことがたくさんあります。節税も含め最良の相続を一緒に考えましょう。

税理士 林田 士郎

相続相談窓口
橋本 滋美

めったにないことだからこそ、戸惑うものです。悩んだら、または悩む前に、まずご相談下さい。

相続相談窓口 橋本 滋美