金融機関と上手に付き合うために、まずは「会社を知ってもらうこと」が重要になってきます。
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銀行は、いろいろな業種の会社と取引をしており、銀行融資をしている取引先について、様々なデータを登録していますが、その中に「業種」があります。
この業種を間違えて登録されていると、資金調達(銀行借入)をする際に弊害が出ることがあり、最悪のケースでは、財務内容が良くても、資金調達(銀行借入)ができない場合があります。
銀行の本部では、銀行全体の融資のポートフォリオ(資産構成)を見ています。
ある業種への融資量が多くなると、その業種が不況となった場合に銀行に与える影響が大きいため、一定量以上の融資量になる前に、歯止めをかけるためです。
また、不況業種や倒産確率の高い業種は、それだけでリスクが高いと考えて、銀行借入金利を高く設定している場合もあります。
銀行借入(銀行融資)のプロセスのなかでは、あなたの会社を担当している銀行員が、銀行融資を決定する書類を作成します。
担当している銀行員がどんな会社なのかを上司に説明する場合や、銀行融資を決定するのが銀行の本部の審査部門であれば、その審査を担当する銀行員に説明する場合もあります。
したがって、資金調達(銀行借入)をする企業が、安定的な資金繰りをするために正しい情報を銀行員に与えるのは、非常に重要なことです。
あなたの会社を担当している銀行員は、あなたの会社の業種を理解していると考えてはいけません。
銀行員は、転勤が多いので、担当している銀行員でさえ数年で交代になります。
その上司~支店長までを考えれば、担当の銀行員~支店長までが同時期に勤務しているのは、長くても1年だと考えてください。
したがって、1年後には、あなたの会社を1から知る必要のある銀行員がいるのです。
大体が、前任者からの引継ぎで、漠然とあなたの会社を把握しているに過ぎません。
そのため銀行員は、あなたの会社の業種を理解していないと思ってください。
銀行融資による資金調達、リスケ(返済猶予)による事業再生、起業(創業)支援など、スムーズに受けるためには、積極的に自社の情報を銀行へ開示して、銀行対策をすることが重要です。
銀行員にあなたの会社の業種を理解してもらうために、どのようなことをすればいいのでしょうか?
まず、銀行との取引が長いほど、しっかりと銀行対策をする必要があります。
銀行との取引が長い=会社の業歴が長いということです。
銀行では、あなたの会社の業種や主要取引先などをデータ登録していますが、この情報が古い場合が多くあります。
会社が業歴を重ねれば、主要取引先や、更には、業種も変わる場合もあります。
最低限でも銀行員が転勤で交代になる度に、最新の会社案内であなたの会社をアピールすることが重要です。
そして、あなたの会社の現場を見てもらいましょう。
可能であれば、新規の受注があった時や新商品を取り扱った時にも、積極的にアピールしていきましょう。
会社の決算説明や事業計画説明も大切ですが、まずは、自社をしっかりと理解してもらうことが、銀行融資での資金調達、リスケ(返済猶予)での事業再生、起業(創業)支援などを、スムーズに受けるための、銀行対策の第一歩だといえます。